“ ケータイ小説家の愛 ”
2012-02-28
タベリスト仲間の河田秀二さんの、脚本、ノベライズ原作の映画です。2009年の作品です。
かわたさんは、ウディ・アレンのように、学生時代の自主映画制作当時から監督・脚本・主演で、活劇一筋で映画を創ってきた方で、オムニバス映画『KILLERS』を撮った縁で、恋愛モノを書いてみないかと言われて、迷ったあげくに、彼なりの発想で書いた作品だそうです。
その時に監督もどうかという話があったそうですが、東京でのプロの映画の仕事をやめて、三重の実家に帰って、いまの仕事についていたので、断念して、他の方が監督をされたということです。
主演は、田代さやかさん。
私は知らなかったのですが、いまも活躍中のタレント、グラビアアイドルだそうです。
いまや身内同然のかわたさんの作品ですので、冷静に客観的に評価するのは、非常に難しいのですが、できるだけ思ったことを正直に書きたいと思います。
その前に、この映画を観始めてすぐに思ったのは、gonbeさんが観るって言ってたけど、最後まで観れるのかしらってことですねw
いわば、稚拙な演技、演出、あり得ないようなストーリーにgonbeさんの性格だと、途中でギブアップするんじゃないかなって思ったことです。
その辺は、gonbeさんの記事に書いてますので、関心がある方はどうぞw
また、ご自分の出身地であり、自主映画制作当時にこないだ多部ちゃんがロケをしていた布施の商店街の同じ場所で撮影をしていて、いてもたってもいられず駆けつけ、多部ちゃんのロケを間近で見て、声までかけたかわたさん本人の想いはこちらですから、これも興味がある方はどうぞ。
で、この映画ですが、かわたさんが言いたかったことの主旨については、理解できますし、面白い着想だと思いました。
でも制作された作品は、その狙いは伝わったかというと、残念ながらだいぶボケてしまっていると言わざるを得ないですね。
向こう見ずな青春の想いや現実のドロドロとしたイタイタしい経験を徹底して描くことによって、見えてくるものを浮き上がらせようとしたのだと思いますが、出来上がったのはオブラートで包んだ甘いコーティングのお菓子のようでした。
非現実的な夢物語って感じですね。
エンディングの問題もありますが、それ以上にヒロインが受ける悲惨な体験が、ちっとも悲惨な感じがしないところが問題じゃないかなと思いました。
それは、ヒロインのキャスティングによる部分が大きいと思いますが、この企画が最初から田代さんという売出し中のグラビアアイドルが念頭にあったのなら、かわたさんが書いた脚本が活かされることは難しかったのではと思います。
レイプや暴力などのリアリティこそが、この作品を下支えするものだと思いますし、それとの対比でこそ、ハッピーエンディングが生きると思いますので、その点、脱ぐのが必然とは言いませんが、下着すらほとんど見せないような演出では無理がありますね。
悲惨な話ですら、メルヘンチックな雰囲気では、伝わるものも伝わりません。
日活ロマンポルノの赤い髪の女シリーズぐらいまでやれれば言うことないですが、観るものをゾクゾクさせるような表現がなければ、思いは伝わらないと思いました。
ですから、プロデューサーの意図が違うというか、出演者の演技がどうのこうのという以前の問題が大きいと思います。
その辺は、メイキングで、出演していたイケメン揃いの男優たちも語っていましたね。
まあ、企画段階から、無理があったということだろうと思いますが、かわたさんが恋愛とケイタイというキーワードで脚本を依頼されて、狙った意図はかわたさんらしくラジカルで捻りがあって面白そうだなっていうことはわかりました。
なお、この作品も、かわたさんが脚本・監督したオムニバス『KILLERS』や、デビューしたての松浦亜弥ちゃんが眩しい『亜弥のDNA』も、アマゾンなどで〇百円ぐらいでゲットできますw
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