「HINOKIO」を読んで

 2009-03-04
「HINOKIO」のノベライズ本を読んだ。

正直、映画のノベライズなんて読みたいと思わないし、いままで読んだことはないし、そういう意味で全く期待もしていなかった。

ただ、本の表紙がCDと同じで、多部ちゃんとH-603の寄り添ったいいデザインで、多部ちゃんの出演した作品の本であれば読んでみてもいいかなってくらいの気持ちで買っただけでした。

私は、ヒンシュクをかうかもしれませんが、多部ちゃんが紹介した作家、恩田さんや伊坂さんや東野さんなどは、多部ちゃんが出た作品以外は全く読んだことがありませんし、読んでみたいとも思いません。

それは読んで気にいったとしても、その作品が映画化されるかどうか、ましてやそれに多部ちゃんが出演するかどうかはわかりませんので、そういう意図で読もうという気がないということですね。

例えば、これも読んでいませんが、万城目さんの「鴨川ホルモー」でも、みなさんが多部ちゃんがふさわしい、出て欲しかったと言われていましたが、キャスティングはあくまでもプロデューサーや監督の考え方で決定することですから、そこまで望んでも仕方ないと言うか・・・、多部ちゃんが決めた、あるいは選ばれた作品を受け入れて、それが自分にとってどうなんだということでいいという考えですね。

そして、もちろんその作品が自分にとって好ましいものであれば、なおさらその出会いに感謝するということです。

まあ、常日頃自分がかかわれないことは考えたりしないというスタンスなので、多部ちゃんのことを考え、イメージして本を読もうという気が起こらないということですね(笑


そういう怠惰な自分が、はじめてノベライズ本というものを読んでみて、「HINOKIO」に関してはなかなか面白く読めました。まあ基本的に映画をなぞっているのですから当然といえば当然ですね。

ひとつには映像表現では不足しがちな細部や、微妙な心理を過不足なく書き込んでいる点がよかったですね。

幸い、この本の書き手は過剰な表現は極力避けていますので、その点でもほとんど気になりませんでした。

次に、ゲームの世界と現実とのリンクの関係性がよくわかり、ストーリーの中の二重性がより理解が深まりました。

さらに読んでいて浮かんでくる情景も誇張がなく好ましいものでした。

ですから、本だけ読んだとしても面白くかつ興味深く、この物語の言わんとするポイントが十分に伝わる作品になっていますね。

文章からのイメージで、あらためてジュンのストイックさやスタンディングポイントが、多部さんの初主演映画にふさわしく、多部さんのその後の生き方を示唆しているようで、少なからず影響を与えたのではないのかなという思いを強くしました。

現実には、ジュンのような人間が生きていく道は狭く、険しくなっているのだと思いますが、そういった生き方の貴重さ、大切さを知らしめるという点で、「対岸の彼女」の魚子にも共通する、現代にも通用する普遍的なテーマを訴える佳作となっています。

イヤイヤ髪を切って男の子っぽい姿になったのは本人も辛かったのでしょうが、群れること、媚びることがキライといった多部さんの特徴的な本質が、作品の中においてもシンクロして見事に描かれたという点で、重要な位置づけとなる作品であることは間違いないですね。
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