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ブラボー!『出口なし』

 2018-09-12
Deep Purplinです。

アップするのが遅れてしまいましたが、『出口なし』を先々週2回観てきました。1度目の水曜日はS席のドンジリのような最後列右隅でしたが、2度目の土曜日は最前列中央と間近で多部ちゃんを堪能してきました。

サルトルですから、「人間の存在とは?」という重いテーマのお話ですが、段田×大竹×多部の3人の濃密で丁々発止の会話劇は、味わい深いものでした。

設定としては不条理劇で、3人ともに悲劇を背負っていますが、だからこそ、お客を笑わせようとコミカルに見せる部分が散りばめられていて楽しく見ることができます。

上演時間はわずか80分ですが、多部ちゃんの見せ所も多く、非常に中身の濃いものになっています。全体を通して、いろいろと考えさえるところも多いですが、世界中で繰り返し上演されているだけあって、観て良かったと思わせる力のある作品です。

多部ちゃん演じるエステル(大竹さんの亡くなられたお母さんと同じ名前!)は裕福な老人のキレイな若奥様ですが、実は多部ちゃん史上、No. 1の悪女!役柄上、化粧もそれなりに濃く、怒りを表す場面では大きく目を見開いての演技です。

戯曲とはいえ、3人の言動はサルトルの思想を形にするためのものなので、劇中の人物として成立することとのバランスが難しいところと思いますが、その点はうまくつくられていると思いました。

エステルは、3人の中では歳もずっと若く、他の2人との距離の取り方で心が揺れ動く存在なので、段田さんと大竹さんが会話をしている最中も、多部ちゃんは絶えず表情や仕草で感情の動きを表しています。

特に多部ちゃんの顔のパーツを自由自在に動かす表情の演技(右の眉だけ動かすとか、右半分と左半分で別の表情とか)は目を離すことができません。その点、最前列での観劇は満足感タップリでした。段田さんは多部ちゃんと密着しての演技もあり、羨ましい...

2回目に観たときに、こんな結構大事な台詞あったっけ?というものもいくつかありました。前後のつながりから考えて、急に足したとは思えないので、一度では印象からこぼれてしまうぐらい台詞の量が膨大です。

私は今週2回観劇予定(日曜はyamarineさん、ブログも再生されたハリソン君と久々の再会)です。これからご覧になる方々も是非お楽しみください。






ここから先は、ネタばれそのものですので、不要な方は、お読みになるのはここまででおやめください。






すぐにわかるようになっていますが、3人が案内された密室とは、実は地獄。大竹さんは塗り壁のような白い厚化粧に暗い色調の口紅というまさに死人のようなメイクです。

地獄にいることは3人とも自覚しているので、自分以外の2人はそれ相応の何をしてきたのか疑心暗鬼。どう距離をとるかをつかむため、それぞれの人生を語るうちに、ざっくり言えば、イネス(大竹)を恐れガルサン(段田)に認めてもらいたいエステル、ガルサンは眼中になくエステルに認めてもらいたいイネス、エステルは眼中になくイネスに認めてもらいたいガルサンという、三すくみのような関係で堂々巡りになっていき、着地点はどうなるのか?と盛り上がっていきます。

1人対2人の少数派になるとハンディキャップが大きい3人という特別な状況に加えて、自分の人生でしてきたことを修正できない死者ゆえの特殊な状況のもとで話が進みますが、有名な決め台詞「地獄とは他人のことだ」(自分を認めるように自分を見てくれない他者の存在こそが地獄の拷問に値する)によって、この戯曲の肉体的な拷問のない変てこな地獄の設定と、我々が生きる現実の世界がつながります。

そして、目障りな他者を殺そうとしても、もう死ぬことのない死者同士、この三すくみの関係が永遠に続くことに3人は気づきます。途方もない絶望!と思わせた瞬間、一転、状況を受け入れた3人の弛緩した笑いになって幕を下ろします。

急転直下の終焉で、我々の現実世界でも自己の思いと他者の視線の間の矛盾は、解消を目指すべきものではなく、永遠に避けられないものであり、目の前の地獄の3人の物語は我々自身の物語であることに気づかされました。笑いで終わったことで、我々の人生にも楽観的な希望を与えると私は感じました。

密室には、大きな顔の銅像(とても重いという設定)が置かれています。1回目に観たときは、始めから舞台の客席近くに置いてあったのが、2回目に観たときは、始めは舞台の奥に置いてあり、劇中で地獄のボーイが軽々と客席近くへと運びます。その後、ガルサンが手をかけても重くてビクともしないという部分はそのまま演じたので、地獄のボーイが普通の人のように見えて、そうではないということを見せるように変更されていました。

次に観るときには、また手を加えているところもあるかなというのも楽しみです。


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オーランドー初日:多部ちゃんに萌え萌え

 2017-09-27
Deep Purplinです。『オーランドー』初日、行ってきました。

オーランドーとして唯一人1役のみを演じる多部ちゃんが、ときに愛らしく、ときに凛々しく、ときに可愛く、ときに神々しく、ときに美しくとフル回転で、とにかく萌え萌えでした。

オーランドーが男性から女性に変わるシーンは、映画や過去の舞台でそれなりの表現・演出があったらしいですが、シーツ1枚を身体に巻いて多部ちゃんとしては十分な露出で魅せてくれました。

小日向さんと小芝さんも、固定した役でいる時間はそう長くなく、池田さん、戸次さん、野間口さんとともに「コーラス」にも回り、とにかく多部ちゃんが世界の中心にいる舞台です。

直前のフォトコールで公開されているビジュアルからもわかるように、おもちゃ箱をひっくり返したような楽しい舞台です。エリザベス1世とのキスシーンでは、しっかりキスマークをつけられます。

第1部(女性になるまで)55分、休憩20分、第2部60分という構成ですが、多部ちゃん度が高いので、多部ちゃんが出ていない場面も多いもっと長時間の舞台以上に多部ちゃんを堪能できる贅沢な作品です。

つくりとしては、ト書きを「コーラス」だけでなく、登場人物自身も述べるなど、全体として速いテンポで説明的に目まぐるしく進んでいきます。その展開の速い一つ一つのエピソードも宙ぶらりんな感じで終わるときもあり、また世紀を跳び越えた時間経過の場面で、オーランドー以外の人物もそのままの関係を保ち続けているかのように思えるところもあったりして、頭の中で整理しようとすると追いつかないので、細部のつながりは気にしないで、観劇中はとにかく目の前の舞台で起きていることに集中したほうが楽しめると思います。

客席から見て舞台の左手(下手)にピアノがあるため、舞台の縁まで寄って時間をかけた演技は上手側のほうが多かったように思います。

前から5列目の上手側の席だったので、間近で多部ちゃんを堪能できました。座席の高さも舞台上にあぐらをかいて座って見ているぐらいの感じだったので、とても臨場感がありました。

次回は、yamarineさん、ハリソン君さんとも久しぶりにお会いしての観劇で楽しみです。

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燦然と輝く歌姫多部ちゃん―『あやしい彼女』試写会

 2016-03-14
Deep Purplinです。3月11日の試写会に行ってきました。

笑いあり涙あり、そして何よりも「天性の歌声」の多部ちゃんのマジでハンパない歌が満載の爽快なエンタテイメント作品でした。

基本的に韓国版を踏襲しているので、韓国版を観たことがあれば話の展開は特に驚くことやハラハラすることもないですが、20歳の多部ちゃんが73歳の地を丸出しで喋るギャップが、この映画の可笑しみの重要な要素なので、十二分に楽しめます。普通の設定の作品では、こういう話し方はしないわけですから、とても新鮮でした。

何を話すのかがわかっている落語を繰り返し聴いても笑えるのは言い回しや声の調子によるところが大きいわけで、多部ちゃんのコメディ演技もそうしたセンスが飛び抜けていますから、何度観ても楽しめる作品になっていると思います。

ただ多部ちゃんの演技は全編、中身が73歳なので、ケレン味の演技ばかりと感じる方もいらっしゃるかもしれませんし、まんま踏襲したリメイクという作品性に引っかかる方もいらっしゃるかもしれません。

多部ちゃん教信者の私としては、教祖様がどの作品でも「楽しんでいただけたら」と言うのですから、楽しめる部分で目いっぱい楽しむというのがスタンスです。そうであるからこそ多部ちゃんの出番が多いほど必然的に満足度は高いわけで、基本的に多部ちゃん中心のこの映画は大大大満足でした。

懸念されていた歌の方は、まさに「天性の歌声」でした。私は多部ちゃんの役者としての声に完璧にノックアウトされていますから、もともと多部ちゃんの歌声も心地良く聴いていましたが、これまでの作品では、自信をもって歌い切っていないところがあり、曲に歌わされているように感じていました。

今回は、役のうえで「歌は聴く人の気持ちを震わせなければならないんだ」といった具合の台詞があるぐらいですから、本人の「さまよいながら歌っていましたけど...本編では堂々と歌っております」の言葉どおり、曲を完全に自分のものにして心震わせる歌を聴く者に届けています。

特に自分にとっては、歌がうまいとわかっている人ではなく、あの多部ちゃんがこれだけしっかりと歌えているということで余計に感動を呼んだように思います。

劇中で映画のテーマ曲も歌うのですが、「あれっ、この歌、多部ちゃんじゃなかったはずだけど...気づかずにいた?」と焦ってしまうほどの出来でした。

試写会の会場だった一ツ橋ホールはあまりスクリーンが大きくなく、前の席の人の頭も邪魔だったので、大きなスクリーンで観るのが今から楽しみです。






以下、ネタバレ的要素がありますので、ご注意ください。






中ほどの歌謡ショーの生放送のシーンの『悲しくてやりきれない』は本当に圧巻で、歌に合わせてセピア色で流れる回想シーンと多部ちゃんの心をつかむ歌がシンクロし、歌が進むにつれ、多部ちゃんの目に浮かんだ涙が、頬を伝わりだし、ついにはとめどなく涙を流し続けながら哀感たっぷりに歌いあげるという演出で、こちらもハンカチを取り出し涙ボロボロでした。ここで作品が終わってもおかしくないぐらいにもっていかれました。(隣のおじさんもボロボロ泣いてました。)

これだけの山場をつくってしまって、あとの流れも韓国版でだいたいわかっているので、尻すぼみに感じてしまうんじゃないかとちょっと危惧したのですが、後半もしっかり楽しめました。

このあたりは韓国版より登場人物を少なくしてシンプルにしたこと、特に韓国版では息子だったのを小林さんの娘に変えたことが効いていると思いました。

特に韓国版よりも多部ちゃんの歌うシーンの盛り上がりとサプライズで、エンドロールを終えたときのカタルシスと爽快感は完全に多部版に軍配が上がります。

それと多部ちゃんが出てくるまでは、よくありそうな展開の上に、ワクワクするような明るい話でないとはいえテンポが悪く、凡庸以下な感じを漂わせるのですが、恐らくこれは意図的なもので、多部ちゃんにスイッチしてからはテンポアップし、いっぺんに雰囲気が明るくなって世界が変わったかのようになり、そこからはジェットコースターです。

最初の方で多部ちゃんが役とは関係のないナレーション(韓国版の冒頭のナレーションにあたるもの)をするのですが、これが驚くほど硬くて棒読み調で、あれれれれっと思ったのですが、あとから考えてみると、そういう意図的な演出でもない限り、あんな読み方はしないだろうと思いました。

こうなったらもう多部ちゃんの歌の入ったサントラを是非出してほしいですね。

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見応えあり!『深夜食堂』

 2015-02-02
Deep Purplinです。
(ちょっと書き足しをしました。)

日付が変わってしまいましたが、今日のいちばん遅い時間に観てきました。
遅い時間だったのでガラガラでしたが、何とパンフレット売り切れですた。
しかも入荷時期未定とのこと。2日間でそれなりにお客さんは入っているのでしょうね。

テレビ版は30分(実質25分程度)なので、話のケリのつき方が軽すぎるように感じられて、
ドラマとしてはそれほどハマってはいなかったのですが、
映画版は120分ぐらいの長さがあるので、しっかりしたつくりになっていて見応えがありました。

多部ちゃんは素晴らしい演技の連続です。忍さんもコメントされているように
あの作品のオマージュ?みたいなシーンも満載で楽しめます。

原作のコミックは今週号を見たぐらいなのですが、あっさりしたつくりで、
原作ベースのテレビ版がそういうつくりなのも仕方ないのですが、
映画版はオリジナルのエピソードで、特に多部ちゃんが出る第2話は
みちるちゃんの心理描写のために彼女の日常だけを追うシーンがたっぷりあり、
スペシャルなゲストとしてフィーチャーされていて、
テレビ版とはまったく違うフォーマットに感じられました。
多部ちゃんという役者を起用した強みを生かし切っていると思います。
(第1話はテレビ版に似た感じで、第3話はテレビ版とフォーマットは似ているけれども
かなり重い話を時間をかけて描いてます。)

感覚的には、3つのエピソードの長さは30分、50分、40分ぐらいの配分で
多部ちゃんのエピソードがメインになっています。
3話均等割りだと物足りなく感じるだろうなということを
いちばん懸念していたのですが、杞憂に終わってくれました。

一度目は何も知らずに観たほうが新鮮だと思いますので
中身については特に書きません。とにかく素晴らしい演技の多部ちゃんの
あんなシーンやこんなシーンまで観られますw

想像をはたらかせてニオイも感じるようにするといいかなw

多部ちゃんに会いに何回か足を運びたくなる作品でした。

追伸:
60代のおかんさん、どうもありがとうございました。
お礼が遅れてすみません。

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『キレイ』千秋楽速報

 2014-12-31
Deep Purplinです。
千秋楽、熱狂のうちに無事終わりました。

大阪公演もありますが、私にとってはこれでこの歌、この台詞は最後という気持ちで聴いていると、
オープニングやラストではジワーッと熱いものがこみ上げてきました。

ラストの「私を犠牲にして行きなさい!」は、先日座った席(H列)で床から身体に振動が伝わって
文字通り打ち震えたのですが、今日の席(M列)では足先から頭のてっぺんに電撃のように
揺れのパルスが突き抜けていき、ゾクゾクする瞬間を味わいました。

カーテンコールで声がひっくり返るハプニングは(残念ながら?)ありませんでしたが、
3回目と4回目は次のように、多部ちゃんらしい肩すかしというか、実に可愛らしく楽しいものでした。

 〽三度も呼ばれて うふふー ふーう ふーんー

 〽うーふふふ ふーふふふー ふふふー ふーう ふーんー

最後のカーテンコール後、奥に引っ込んでから多部ちゃんが一人だけ残って、
奥ゆかしくぺこりぺこりとお辞儀をしていた姿が、とても清々しく愛くるしかったです。

以上、取り急ぎ速報ということで。
全体の感想は、明日、年賀状と残っている仕事を片付けてから書こうと思います。

追記:
tdoiさんから落陽さんをご紹介いただきました。例の暗がりのキスのシーンで、
挨拶をしたばかりの見覚えのある後姿の方が、多部ちゃんのハグのあるジャスト
その席に座っていて、何という幸運!と、長きにわたって応援を続けている方を
神様は見ていたのだなと思ったのですが...

小池君がいつもキスする前方の列が女性ばかりだったのか、多部ちゃんは
通路の反対側あたりの方にハグをし、件の方に小池君がキスをしてしまい
目が点になってしまいましたが、やっぱりそうだったのですね。心中お察しします。

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