『サロメ』再見&アフタートーク

 2012-06-03
Deep Purplinです。またまたのブログジャックでの『サロメ』3日目&アフタートークのレポートです。

ネタばれにならないようにあまりハッキリは書いてませんが、それでも舞台を観ての感想やら勝手な解釈やらが書いてありますので、そういうものを遮断したい方は、あまりジックリ読まないほうがいいかと思います。

2回目の多部『サロメ』観劇。今日は1階最後列から1つ手前の右手側の席です。距離が遠いため引きで観ることになるので、サロメ姫以外の登場人物の台詞の意図をつかもうかなと、サロメ姫の台詞を中心にしか読んでいなかった平野本ですが、これまでに読んでいなかったあたりを行きの電車で少し流し読みしてました。

そう思ったのには、800円の割には今ひとつのプログラムのなかで、宮本さんがヨカナーンの言葉は新約聖書だけでなく、「ヨハネの黙示録」や旧約聖書からも借りてきていて、ワイルドはそれらの意味を微妙にずらしていって逆の意味にしたりして、背徳的な宗教劇にしていると書いてあったこともありました。

そうしたら、平野本50ページ中央のヨカナーンの台詞はヘロディアに言っているようでもありながら、「バビロンの娘よ!」と呼びかけていて(序盤で、ヨカナーンはサロメを「バビロンの娘」「ソドムの娘」と呼んでいる)、内容としてはこの戯曲のサロメの行く末を言い当てていることを発見! そうするとラストのサロメの「わたしを淫婦みたいに、まるで娼婦みたいに扱って」という言葉への違和感も氷解しました。最初の二人の絡みではヨカナーンはそこまで強く言ってなかった気がするんですよね。(50ページの台詞とラストのサロメの台詞との関係は平野本の注にも書いてはありますが。)

というわけで、今日は双眼鏡で多部ちゃんを追いつつ、ワイルドが台詞に込めた意味も何となく感じられたらいいなというような気分で席に着きました。

初日は左側から背中を拝むことになったシーンが、今日は表情を観ることができ、初日と合わせてバランス良く楽しむことができました。最前列中央はかなりいい席であるのは間違いありませんが、そこからは奈落のプールでの多部ちゃんのある演技が見えませんし、どこの席にも見せ場があるように、かなり工夫して芝居を組んでいるように思います。

2回目ということもありますが、やっぱり距離が遠いせいでしょうか、ラストの盛り上がりの中での感情の揺さぶられ方は初日ほどではありませんでした。

ただ、初日には感じ取ることができなかったものを感じ取った場面もありました。サロメダンスのクライマックスでちょっとしたギミックがあるんですが、それが初日よりも少し大量に、また長くあったようなので、ちょっとエロチックなことを想起させました。

そう感じ取ったのは、サロメにとって、このダンスは、踊り終えれば、ヨカナーンを自分のものにできる歓喜のダンスであり、そのことを知っているのはただサロメ一人であるという、そんな感覚でこのダンスを観ることができたからなのですが、それは初日にダンスのあとサロメがヘロデに褒美をおねだりするまでの多部サロメの言葉で表さぬ演技を観ていたからだと思います。このあたりは平野本には当然、何も書かれていませんから、一度舞台を観たことで、芝居の見え方が変わったわけです。

ダンス中にも半透明の衝立に映る影でヨカナーンと一体に結ばれていくことを暗示する映像的な仕掛けもあるのですが、初日よりもそれが、そういう意味合いをもつようにより印象に残りました。

それから、ヨカナーンの生首を待つ間に、銀の大皿を抱えてうっとりする場面では、銀の大皿=月=ヨカナーン(これはプログラムに書いてありました)と思えば、ここでサロメとヨカナーンはサロメの心(妄想)の中では一つになったとも見え、とても官能的に見えました。

熊のぬいぐるみは「やりすぎ」というつぶやきも見かけましたが、熊のぬいぐるみを抱えていた小娘が、終盤で銀の大皿(好きな男)を抱えているというシーンは、愛し方を知らぬ少女が愛に目覚め大人になった(ただし異常なかたちでその愛を成就した)ということを視覚的に表しているように感じました。

そういう象徴がいろいろ散りばめてあるのだろうし、それゆえにつくり手の意図を超えて観る者が勝手にそういう思いを馳せることができるように、多くのものが詰まっている舞台だということを改めて感じました。

そうすると今度は、ヘロデ王が、サロメが踊る直前にテーブルの赤い薔薇の花を見て、血の染みのようだと言って投げ捨てたあと、「目に触れるものすべてに、イチイチ、何かの象徴を見るべきではない」(平野本 p.60)という台詞が逆説的で、戯曲全体について自己言及的であるように響きました。

作品全体としても、ヨカナーンは不吉なことが起こるとか、お前は呪われているとか言い、ヘロデ王やヘロディア妃も死や敗北を恐れいているけれども、サロメはそんなものは恐れていないが、長生きをしても愛に忠実でない人生を恐れているような感じがジワーッと伝わってきました。サロメダンスの妖艶さと首切りの猟奇性を抑えたことで、本当に味わい深い作品になったと思います。

ルートさんが書かれている不思議な遠近感は、初日は168センチしかない成河さんが大きく見える不思議も引き起こしていましたが、今日、引きの位置から見てみると、多部サロメ姫が一人プールサイドに立つと、とっても大きく見える不思議も味わいました。

今日の多部ちゃんは、3回ほど台詞を言い直したところがありましたが、やはり安定した演技でした。

終演後の挨拶は、初日に座った左手最前列からは、奥田さん、麻実さん、成河さんが出てきたのが、目の前に立ちはだかる多くの屈強な男性陣による皆既日食状態で見えなかったのですが、今日はちゃんとわかりました。そのあとのカーテンコールは、アフタートークの準備があるからでしょう、今日はありませんでした。



さて、ルートさんのところにもレポートのある今日のメインイベントのアフタートークです。

いったんロビーに出され、ルートさん、tdoiさん、かよさん、nekoさんと歓談。そのあと、今日のチケットを持っている人は、その席に座るように言われ再入場。全員着席した頃合で移動解禁とし、2階席や今日以外のチケットを持っている人を入れるという段取りであるとアナウンス。通路に出にくい自分の席に一旦座ったのですが、これはライアーゲームよりも無法な「イス取りゲーム」であることに気づき、トイレに行く素振りで、何人かの方の前をごめんなさいして、通路へ出てスタンバイ。

移動解禁となる前に動きやすいところに動いてみたら、あと4回の観劇でも座ることはかなわぬ憧れの中央ブロックの最前列やや右側が空いているではないですか! これを逃したら、一生悔いがついて回ると思い、移動解禁になったところでダッシュで階段を駆け下り(私より少し年上かもしれないおじさまと軽くボディコンタクトしてしまいました。すみません)、その場所へ。

座ってみたら、舞台は片付けと掃除をしているため、アフタートークの出演者は目の前の丸椅子に座ることが判明。さらに良く見ると、出演者用のミネラルウォーターのペットボトルのうち3本だけは、フタを開けてストローが差してあり、1本は私の左手遠く、そのうちの2本は私の目の前と右斜め前(ここが右端)。恐らくその3つの椅子が女性用で、新国立劇場の芸術監督の宮田さんが左手遠く、目の前の2つは多部ちゃんと麻実さん。しかし主演の多部ちゃんが右端のはずはないので、目の前に多部ちゃんが来るのではと、心臓がバクバク。よく見ると、かよさんとnekoさんもいつのまにか中央ブロック最前列左端に座り、やはりソワソワ状態。その向こうにはルートさんとtdoiさん。すまん、許して。

司会の中井美穂さんのあと、まずは宮本さんと宮田さんが入場。

電波の武者さんにマシンガンみたいにとか、ルートさんに知り合いと思われたくない姿と言われるような絵であることはよーくわかっていますが、なりふり構わずメモを取りましたw

以下、多部ちゃん以外のことまで書きすぎと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、2回の観劇を通して、作品自体とつくり手の想いにも興味が沸いてきているので、私自身が面白かったということで。

なおテープ起こしではなく、メモをもとに書いているため、キーワードだけ書いたところを私の言葉で埋めているところもあり、言葉の詳細の文責は私にあります。中井さんの質問とかを省略してるので、話が飛んでる感じのころもあります。(それと舞台は『農業少女』と『サロメ』しか観ていないような人間ですので、基本的に演劇について無知なのを丸出しの部分があるかと思いますが、その点はご容赦ください。)

宮田さん
 今年のJAPAN MEETSという企画で、近代以降で日本に衝撃を与えた演劇をやるということで宮本さんに相談したところ、『サロメ』をやりたいと言われ、「おーっ、キターー!」と思い「是非に」と。古い作品ほど新訳がないのだが、現代的な意味での新しさということでなく、「舞台にふさわしい」という意味での「新たな言葉で」と思い、平野啓一郎氏に当たって砕けろで新訳を頼んだら、OKをもらい、本当にスゴイ舞台になった。

宮本さん
 三島由紀夫の『金閣寺』をやり(自身が芸術監督を務め横浜での『金閣寺』と今回の『サロメ』のつながりは平野本にもある通り)、その三島の『憂国』という映画での血に染まる場面が頭にあり、ムズカシイが、ここでやらせてもらった。『サロメ』には、いろいろなやり方や演出があり、最近では核シェルターが出てくるものもあったりするが、サロメとは何なのか、オスカーワイルドの生き方、何を書きたかったのかを掘り下げたいと思った。

 新国立劇場は普通のコロセアムではないので(奥行きがすごく大きく、「サッカー場」と呼んでいると宮田さんが自虐的にフォロー)、舞台をつくりにくくて、実は演出家にとっては難しい劇場。水を入れてもいいと新国の技術者に言われたので思い切って、水も入れた(宮田さん曰く「みんなで腹をくくった」)。

 通常、『サロメ』ではヨカナーンの姿は見えず、声が音だけで聞こえるが、ヨカナーンの言葉には意味があり、それを伝えるには、相手との関係性として、生の人間がその場で発する言葉が欲しいと考えた。

 その上で、舞台の上の人間と、舞台下のヨカナーンの間には断絶があり、決して会えないという関係。舞台上の鏡は視線の演劇『サロメ』の象徴。ヨカナーンは神を見、ヘロデはサロメを見るが、登場人物はそれぞれ、視線がズレていて、それが最後の「愛の神秘」につながる。また鏡はナルシズムとも関係。ナルシズムというと、自己陶酔を連想するが、そうではなくて、自己確認という意味で、自分を見つめる。(ナラポートも水面に映る自分を見るのが好き。←中井さんのコメントだったかも)

 最初に台本を見たとき、台詞が重いと思った。そして、どこでサロメはヨカナーンに魅かれたのかなど、ワイルドが生きていたら教えてもらいたいと思うところばっかり。この作品は、サロメのダンスばかりに焦点が当たっていたが、ワイルドは時代背景として「女性の自立」を念頭に置いていて、単純に「魔性の女」を描きたかったのではないはず。

宮田さん
 実は、宮本さんの話を聞く前から『サロメ』について、自分も同じ考えをもっていた。サロメは少女でなければならないと思っていた。あの母親のように自分もなるのではないかという気持ちをもっている。そんな少女のもつ女性(「じょせい」ではなく「おんな せい」)をこの作品に感じていた。なので、宮本さんの『サロメ』観を聞いて、「よしっ」と思った。

宮本さん
 三島由紀夫の『サロメ』も岸田今日子さんで少女っぽく描いてはいた。サロメはスポイルド・チャイルドとはよく言われているし、父が12年幽閉されていたことは知って生きてきた、愛し方を知らない、外の世界を知らない。

宮本さん(中井さんに、平野氏への新訳依頼時に決まっていたキャストを問われ)
 多部ちゃんは決まっていた。

宮本さん(多部ちゃんのサロメというのは「エッ」という感じと返され)
 なんとかワンコとか?(場内爆)
 翻訳中、平野さんはキャスティングは気にしていて、「誰と交渉中か?」とかはよく聞いてきた。実は『サロメ』の原作は仏語版も英語版もシンプルで、それとは別の日本語版の『サロメ』があった。

宮田さん
 公演に使われることが決まっている訳づくりは、平野さんも楽しかったり、励みになったのではないかと思う。

宮本さん
 いろいろなナントカ人が登場するので、ナントカ人の研究者、学者を何人も稽古に呼んで、時代背景や当時何を考えていたのか勉強会を何度も開いて、根掘り葉掘り聞いた。あんまりしつこいから、専門家も怖がっちゃったくらい。

ここで、シャワーも浴び、私服に着替えた奥田さん、成河さん登場。

奥田さん(中井さんに役への入り方を問われ)
 芝居によって違うし、役者によっても違うが、今回はヘロデに近づくと同時にヘロデの首根っこをつかんで自分の中に入れようとしていた。それがやっとできたのが今日ぐらい。あと三日したらヘロデを食べられそう。

成河さん
 まず『まんがで読破』の聖書を読破した。稽古で読解と解釈に長い時間を費やしてもらった。正解というものはないが、いろいろとつかむきっかけになり、本当に有難かった。
 ヨカナーンの言葉は、新訳聖書と旧約聖書のパッチワークになっていて、それによってまったく違う意味をつくり出し、意味が逆になるぐらいのものもあり、そこにワイルドの狙った諷刺やキリスト教批判がある。

宮本さん(中井さんに、今回どういう『サロメ』をやりたかったのかと問われ)
 別に新しくはない。もう一度、原典を紐解くという姿勢。ワイルドは何を書きたかったのか、それを一字一句おろそかにせず追究した。聖書にのっとった話としての古典劇をやろうとすると「アレッ」というところがある作品。聖書が書かれた時代とワイルドの生きた時代に2000年の開きがある。

 ワイルドが何を書きたかったのかは「女性」「宗教」「時代の変革」といったものではないか。ニーチェが「神は死んだ」と言った時代であり、既成概念を破るということを意識していたと思う。そして、サロメは「愛を語っている」のであり、それが最後の「死の神秘よりも愛の神秘は大きい」に集約される。愛し方は歪んでるかも知れないけれど。しかもそれをヨカナーンは予言している。

成河さん
 「あの女を殺せ」をヨカナーンは予言しているんですよね(行きの電車のmy発見とシンクロナイズ!)。(中井さんに「どこ」と聞かれ)それはいいから。麻実さんに教えてもらって知ったんだけれども、ヨカナーンの言葉に出てくる「青い無花果」というのは童貞の男性の性器だとか、いろんなものが込められている。

ここで、ついに多部ちゃんと麻実さん登場。多部ちゃんは白のブラウスに、黒のデニムのスリムなパンツ、甲の部分にアクセントのキラキラが光る緑のパンプスでした。

多部ちゃんが目の前かと期待していたわけですが、宮田さんが気を遣って右端に移ってきたため(あとで多部ちゃんはストローなしでミネラルウォーターを飲む羽目に)、正面は麻実さんで、多部ちゃんは2つ左隣の席の真ん前になりました。とはいえ、直線距離にして席2個分×ルート2ぐらいの場所に多部ちゃんです。

多部ちゃん(中井さんに「たくさんのお客さんが入っています」と挨拶を振られ)
 緊張します。(麻実さんが、優しく「ミカコちゃん」と言葉をかけたのが印象的でした。)

奥田さん(中井さんに、苦労したことはと問われ)
 苦労したことはありますが、泣いてはいません。でもそんな気持ち。役者というのは、演出家をぶっ殺したくなる。演出家が言ったいいことを自分の血と肉にする。我が身を捨てることからしなければならないが、残像は残る。自分の毒を吐き出しながら、宮本亜門という毒を入れるのが大変だった。

多部ちゃん(中井さんに、過去の『サロメ』は見たりしたかのようなことを問われ)
 You Tubeで(場内爆)ちょっとだけオペラのサロメを見ました。そしたら、あの、あまりにお色気ムンムンで。あれっ、何で私が?って。

 (見たのはいつ?と問われ)話を受けてから。何も知らずに。(宮本さん、「えっ、受けてから見たの?」と大受け。)あ、宮本亜門さんだ、と思って受けて。

 (役づくりについて問われ)言葉が難しいけど、台本はだいぶ言いやすくなっていて。「今どき」だなと感じました。You Tubuの(場内爆)とは違って、官能的というのをイメージしないでできた。難しい台詞の意味を捉えたりとかは、今でも難しいところがあります。

 (サロメはどんな子と問われ)「変わったコ」(場内大爆笑)

中井さん ぬいぐるみなんか持ってますしね。

宮本さん (多部発言に大受けで)「変わったコ」ですから。

中井さん ○▲☆■▽×...(ややお決まり的に多部ちゃんの演技を褒める)

成河さん (多部ちゃんに向かって)「ありがとうございます」と言えと小声で催促

多部ちゃん(「ありがとうございます」と小声で催促を繰り返す成河さんを受けて)
 ありがとうございます。(中井さんの褒め言葉のあとの質問を受けて)舞台は稽古場と違うんで、毎日緊張します。

麻実さん
 変わったコの母、悪徳の母です。しばらくいいお母さん役が続いていたのに、前の舞台に続いてこういう役。ミカコちゃんと一緒で、受けてから大変と思いました。起承転結の真ん中を抜いたような舞台なので、ナントカカントカ。長い稽古を経て、今はヘロディアを愛してます。これは大変ですね。

宮本さん(中井さんの振りを受けて)
 誰も私に染まってませんよ。染めようとも思ってない。稽古に1ヶ月ちょっととれたのは恵まれてました。稽古場と本番の舞台が同じところにあって。

と、こんな感じで進み、予告されていた質問タイムに。ルートさんからご報告の「しでかしディープ」の顛末です。

最初の質問は、プロになりたいというお嬢さんのそのための練習法は?に、奥田さんが、練習法はない。今こうやって手を上げて質問をしたように、自分を表現する、自分を信じることと回答。

この質問を聞いて、多部ちゃんに振るような質問が出てこなさそうなことを強く予感。

次の質問のときは、最初のときよりも手が上がったような感じで、かよさんも手を上げていたので、自分も手を上げてみました。後方では元気に「ハイ」とアピールする声も。

ここで指されたのは、かよさんのすぐ後ろの女性(成河さんファンで12回観る方だとあとで判明)。ヨカナーンの生首に関する質問で、最終的には毎日キスをする多部ちゃんも巻き込んでのスゴイ傑作なやり取りがあって、最後には多部ちゃんが「(サロメは)スゴイ役ですね」とコメント。ただし、この件については観てない方にとって、舞台で実際にどう表現されるのか謎のままのほうがいいと思いますのでスキップします。

かよさんの傍の方が指されて、その周囲を指名する確率が下がったような雰囲気のことを中井さんがポロッと言ったので、多部ちゃんに振る質問が出る確率も下がったような気がしたので、もう少し目立つように手を上げました。

三番目の質問は、これはネタばれしてもいいと思いますが、客入りしてから開演の間、舞台下の牢にヨカナーンがスタンバっていて、ウロウロ歩くことについてで、成河さんが「自分から提案したら、宮本さんが承諾してくれた」とのこと。実は宮本さんもやりたかったけど、開演前に集中できないかもしれないし、役者さんにそれを要求するのはやりすぎかと思って遠慮していたら、成河さんから言われたので、即座にOK。成河さんは、楽屋にいるよりも、あんなに集中できる時間はないとのこと。

あと質問が二つぐらいかなと思ったので、何とか多部ちゃんに振る質問をと思い、ここで思いっきり手を上げアピールしましたが、後方で元気に「ハイ」を連発していたと思われる年配の方に。(中井さん「おじいちゃん」と失言。)

この方が、質疑応答で演説をしてしまうタイプの人で、奥田さんが最初に挨拶で「いかがでしたでしょうか」と言ったので、それに答えると、今日は席が悪いからわからない、何日だかにはいい席で見るからそのときにわかると思うが、これだけの人がそろっているのだからいいに決まっているのはわかっていると上から目線の前口上。ゴチャゴチャ言ったあと、宮田さんに、宮本さんを指名した最大の理由はと質問し、そのまま続けて日本には女性の芸術監督がナントカさん以降いないけど、どうのこうのと持論をぶって、なぜだと思うかという質問、さらに続けて、主演のキャストは演出家にも相談しないと宮田さんだけでは決められないと思うが、多部未華子さんというのは失礼ながら、『なんとか少女』に出ていたことぐらいしかしらないが、こういう若い人、若くて綺麗な人をどうやってキャスティングしたのか、さらに続けて、(中井さんの「もういいでしょ」に耳も貸さず)演出家は台詞を全部覚えないと統括できないと思うが、どの段階で全部入るのか宮本さんに聞きたいとやりたい放題。

宮田さんの宮本さんを指名した理由は当たり障りがなくて忘れました。監督については、自分は女っぽくはない。局面局面で判断していかないといけないことが多く、男前みたいに言われますみたいなことを答えていたような気がします。

宮本さんは台詞は全部覚えてはいませんと一蹴。多部ちゃんのキャスティングについても当然、宮本さんが答え、多部ちゃんが大好きです。『農業少女』を観て、この子面白いと思った。純粋なものをオブラートにつつまずストレートに出していて、新しいサロメには多部未華子しかいないっ!と。実はなんとかワンコは見てません。テレビは知らない。テレビに出ているか出ていないか、どこの事務所かとか、そんなことはどうでもよいんです私は。

このあとダメもとで大きく手を上げてアピールしましたが、質問打ち切りとなりました。

謎の老人の演説ですっかり時間をロスしてしまい、中井さんが、簡単に終わらせてくださいと強いオーラを発して、最後の一言に。

宮本さんは意表を突く簡単な発言で笑いを取りました。奥田さんは、この座組みはとっても良くてどんどん良くなると思うというようなことを言った気がします。成河さんは、毎日発見があって、どんどん変化していくと思うというようなことを言った気がします。

そして多部ちゃん。「何を言ったらいいか...」と下を向きました。モヤモヤとは言いたいことがあるんだと思いますが、中井さんの「簡単にプレッシャー」や、それまでも多部ちゃんは控えめにしか話をしていなかったのに、前の3人がコンパクトに終わっちゃったんで、0.何秒のことなんですが、簡単に終わらせるか迷っているように見えました。

是非、お決まり以上のことを喋ってほしかったので、ここで不規則発言をいたしました。すみません。事前に宮本さんも多部ちゃんも「舞台で遊ぶ」ことを課題と言っていたので、「舞台で遊べてますか?」と。指されたらこれを聞こうと思ってましたが、このときは、これに答えてもらいたかったわけじゃなくて、遠慮せずに多部ちゃんに言いたいことを言ってもらいたかったんです。(収拾つかなくなっちゃいますから、成河さんは「質問はもう」とダメダメと手を振ってこちらをご覧に。)

多部ちゃんは、不規則発言は流して、例によって一言ずつかみ締めるように、舞台はライブで大変だなと感じてます。この日しか観に来ないというお客さんのために100%のものを届けないといけないと思ってやっています。舞台の裏にも、スタッフのサポートもいっぱいあって、ああでもない、こうでもない言いながら、100%の想いで届けたいという想いでやっています。まだ始まったばかりなので、風邪をひかないようにやりたいです。(「こんなに話してしまって」みたいなことを途中にはさんだと思います。)

と、まさしくルートさんがお書きのように「すべてを浄化する慈しみにあふれた神の言葉」で締めくくりました。(当然、このあと麻実さんも一言何かを言われていますが。)

多部ちゃん、驚かせてゴメンナサイ。多部ちゃんの一言を遮る不愉快な言動と思われた方々、すみません。

目の前で見てたら、何から言おうか、それとも簡単に終わらせようか迷っているようで、殻を破ってほしいという気持ちでいっぱいになり、流れや空気を変えねばと感じてしまったのです。冷静になってみれば、余計なお世話ですし、もっと話すつもりだったのを集中を乱したかもしれないし、かえって何も言わずに終わらせてしまう恐れもあったと言われれば、何も言えませんが...。

なりふり構わず最前列に座ったことで、『農業少女』で隣の席まで多部ちゃんがチラシを配りに来たときよりはちょっとだけ距離があるとはいえ、左斜め前2メートル弱の距離に多部ちゃんが何十分かいるという夢のような時間でした。多部ちゃんは客席を見るときは、近くには目線を合わせず、上のほうを見ていたので、あまり視線は合いませんでした。その分、こちらの視線は多部ちゃんに釘付けでした(だから視線を外してたとも言えますね)。短い時間で登壇しなくてはならなかったからでしょう、控えめなお化粧で、本人の魅力に溢れていました。

中央ブロック最前列で観られたらいいなとか、贅沢なことはもう言いません。最初は多部ちゃんが出ないかもと思ってチケット取るつもりではなかったのですが、勧めてくれたyamarineさん、本当に感謝です。

アフタートークが終わったあと通路の階段を登りかけたら、後ろから名前を呼ばれ、さっぽ君さんと『農業少女』以来の感激の再会を果たしました。今日、当日券に並ばれたとのこと。並んだ列の後ろのほうでは、ここまでと言われて帰った人もいたとのことで、その行動力に改めて驚嘆。

そのあとはルートさんに「しでかしディープ」とお叱りを受け、しろたえへ向かわれたルートさんたちとは、さっぽ君さんとともにお別れしまして、しばし言葉を交わし...帰路につき、とにかく神様から素晴らしいプレゼントを頂いた一日でした。今日からは、心を入れ替え、足るを知り、周囲に感謝をし、人のためになることを為すことを第一に生きていきます。

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コメント
わおっ もの凄い大作!!w

『つばさ』、『農業少女』に続く、驚嘆のレポート、ありがとうございます。

昨日の様子が、手に取るように浮かんできました。

Deepさんの不規則発言は、多部ちゃんを促したと思いますよ。

私も、しでかし系ですから、そこにいたら同じようなことをしたと思います。
謎のおじいちゃんみたいに自己中で、しつこくはないですけどねw

ホントに、お疲れまさでした。

あとは、サロメ計画の7日まで、お仕事、必死でがんばってください。

なお、『ふくすけ』大阪はダメでした。


【2012/06/03 12:57】 | yamarine #- | [edit]
そう言えば、ヨカナーンの首のやりとりについては、つぶやいていた人がいましたね。

ヤフオクに出品するとか、廃棄処分とかw

多部ちゃんが毎日口づけしてますから、もし出したらいくらで落札されるでしょうね。

多部ちゃんファンが落とすのか、成河さんファンが落とすのか興味深いと思いましたw
【2012/06/03 13:27】 | yamarine #- | [edit]
 お疲れさまでした。前半はあとで自分で確かめたいので読み流してしまってますスミマセン。
 後半、臨場感あふれてますね!

 それにしても、Deep Purplinさんがしでかしてしまうとは、謎の老人と多部ちゃんパワーに翻弄されてしまったようですね…最前列は本当に危険ですから、座った時は自分を見失わないように気をつけて下さいねw

 
【2012/06/03 13:46】 | hyoutangaiden #WzzJX4NY | [edit]
Deep Purplinさん

長文のご報告ありがとうございます。

興味深く読ませていただきました。

特に多部ちゃんに殻を破ってほしいと一言
発せられた点に多部ちゃん愛を感じました。

殻を破ることは誰にとっても難しいことです。

勇気ある不規則発言、お見事でした。感謝
【2012/06/03 15:21】 | 直哉 #- | [edit]
こんにちは。ご無沙汰です。
僕も昨日観に行きました(あと1回は楽日に)。
このレポートは完全保存版ですね。

deepさん、渾身のレポートありがとうございました。
【2012/06/03 17:49】 | ちゃーぼー #mQop/nM. | [edit]
人を見つめ過ぎてはいけない、見つめていいのは鏡だけだ! by ヘロデ王.w
【2012/06/03 19:20】 | route225 #1Pm8M8kY | [edit]
> もの凄い大作

書かないでおいても、気持ちを引きずってしまいそうなので、全部吐き出しました。

> Deepさんの不規則発言は、多部ちゃんを促したと思いますよ。

そう言っていただけると救われます。

> サロメ計画の7日まで、お仕事、必死でがんばってください。

宮本さんの多部『サロメ』自体に魅せられて、こっちを書くほうでチト頑張ってしまったんで、これから鞭を入れます。

> 『ふくすけ』大阪はダメでした

今日、もう1枚取ろうと思い、チャレンジしましたが、電話、PCともつながらないまま終了してしまいました。

> ヨカナーンの首のやりとり

これについてはトップシークレットの話もあるので、またあとでお伝えしますね。
【2012/06/03 22:45】 | Deep Purplin #5I3Trcm2 | [edit]
hyoutangaidenさん、臨場感が伝えられて何よりです。

前半は私の妄想のようなものですから...

> 謎の老人と多部ちゃんパワー

正常ではいられない磁力の中にはまり込んでいたようです。

> 最前列は本当に危険

2日目の中央ブロック最前列での観劇のあと正気を保たれておられたのですか?
【2012/06/03 22:47】 | Deep Purplin #5I3Trcm2 | [edit]
直哉さん

> 興味深く読ませていただきました。

いらっしゃれなかった方に、何かを伝えることができていれば幸いです。

> 多部ちゃん愛

私にもサロメが降りてきて、愛に純粋に生きて、突っ走ったようです。

【2012/06/03 22:50】 | Deep Purplin #5I3Trcm2 | [edit]
ちゃーぼーさん、あの場にいらっしゃいましたか。お恥ずかしい。

楽日はyamarineさんと観劇予定です。

> 渾身のレポート

少し燃え尽きました。木、金のサロメ計画での再観劇まで充電します。
【2012/06/03 22:51】 | Deep Purplin #5I3Trcm2 | [edit]
route225さん、お越しいただきどうもありがとうございます。

始末書代わりの経過報告です。

> 人を見つめ過ぎてはいけない、見つめていいのは鏡だけだ

視線の演劇『サロメ』の最大のレッスンですね。読解不足でした。勉強して出直します。

坊主頭については後ろ向きに検討しておきます。
【2012/06/03 22:51】 | Deep Purplin #5I3Trcm2 | [edit]
”サロメ” 大好評で 大騒ぎになってるようですね。 
ぜひ見たいけど いくらなんでも ニューヨークからはちょっと無理か。
【2012/06/04 12:09】 | NewYorker #zj.PrEZc | [edit]
>大好評で 大騒ぎになってるようですね

海を越えて評判が伝わりましたか。
てなことはないでしょうがw、今日は当日券に並ぶ人が6時前からいたそうですから、もう大変なことですねw

>ニューヨークからはちょっと無理か

残念ですが、DVDが出ると思いますから、それでガマンしてください。
その代わり、チョー狭き門の『ふくすけ』は確保しましたからね。
お楽しみにw
【2012/06/04 19:36】 | yamarine #- | [edit]
>DVDが出る

撮影カメラが入る予定はなかったような?
【2012/06/05 11:08】 | route225 #EtPCctGo | [edit]
>撮影カメラが入る予定はなかったような

『農業少女』のときのように書いてはないですね。

平日に2回公演がある7日に入る可能性があるのかなって勝手に思ってます。
『農業少女』も平日に昼夜2回撮っていましたからね。

宮本さんの『金閣寺』がDVDになってるし、営業としても、テレビ放映権料やDVDの収入は大きいから、当然どちらかがあるのかなって思っていました。

希望的推測で書くのは、よくないかもしれないですね。
でも観に行けない方でテレビ放映を期待してる人も多いし、出来れば多部サロメを多くの人に観てもらいたいから、DVDを出して欲しいということで・・・w
【2012/06/05 11:43】 | yamarine #- | [edit]
十年前、蜷川幸雄さんのマクベスがニューヨークに来て 私も見ました。 
宮本亜門さんのサロメも評判が上がれば。

大竹しのぶさんがマクベス夫人、唐沢寿明さんがマクベスでした。 
この二人多部さんの共演者ですよね。
【2012/06/05 13:10】 | NewYorker #zj.PrEZc | [edit]
New Yorkerさんにレスしようと、ここまでスクロールするのが、ニューヨークへ行くぐらい遠いw

ニューヨークで蜷川マクベスを観たのですか。
それはすばらしいですね。

私は始まる前から、宮本サロメも、ウエストエンドかブロードウェイでやれるようになるといいなって思っていましたから、期待しちゃいますねw

もしやったら、きっとスタンディングオベーションとブラボーの嵐でしょうね。

その際は、私のチケットをゲットしてくださいねw
【2012/06/05 14:46】 | yamarine #- | [edit]
私にとっても 素晴らしい1日でした。
yamarineも めいいっぱい多部ちゃんを
サロメを楽しんできてくださいね。
【2012/06/05 23:13】 | さっぽ君 #qbIq4rIg | [edit]
>私にとっても 素晴らしい1日でした

ハイハイ そのとおりですね。
ホント さっぽ君さんらしいなぁw

私は、私流で思いっきり楽しんできますよw
【2012/06/06 00:00】 | yamarine #- | [edit]
6/7(木)2:00/7:00はTVカメラ収録の予定があります。

公式サイトに記述がありました.ただ,これがどういう内容なのかは
わかりません.
【2012/06/06 05:40】 | route225 #J8sWLEBQ | [edit]
あっ 書いてありますね。

最初から書かないで追記したのはどういう意味があるのかわかりませんが、ピーンポーンでしたねw

またまた、私の希望的予想は、テレビ放映とDVD発売ですねw

ありがとうございました。
【2012/06/06 08:23】 | yamarine #- | [edit]












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